卯月。4年。春雨。

こんにちは。こんばんは。

 

気づいたら令和4年になってました。

冬眠してたわけじゃないのですが、更新が滞ってしまって大変失礼いたしました。

 

GWの大型連休前に諸々手をつけておかないと、ということで久方ぶりに記事を打ち始めた深夜3時半。書き終わるころにはお空が明るいでしょうね。明日も打ち合わせがあるので、そこで使う製図を直してたらこんな時間。がんばります。

 

 

年が明けて4ヵ月。前回の記事から半年も空いてしまいました。

細かい進捗はTwitter、完成した子のメイキングはYoutubeに上げていましたが、こちらのHPも何卒宜しくお願い致します。

 

 

さて近況。

前回が結構前なのでとても言いにくいのですが、その時作っていたオーダーのPJベースは昨年のうちにお届け済みです。

ちなみにメイキング動画もアップしております↓↓

13本目 「シユ」。

 

今回はちょっと長めの動画。オーナー様がご厚意で音出しの動画を撮って送ってくださいましたので、ご許可を頂き動画後編にいれております。

振り返ってみると近年はベースのオーダーやパーツ製作、リペアが多かったです。

 

この子は私には珍しい白系の塗装で中々難しかったな。

木工ももちろん難しかったですが、そもそも簡単なオーダーなんて今までありませんでしたし、大変なほうが遥かにやりがいはありますので。

 

 

ちなみにこの子はピックガードは2パターン製作しています。

 

シンプルな黒も引き締まって見えて良いですが、ブラックパールも華やかな印象を与えてくれていい感じだと思います。

 

その他、前回の記事でも言及しておりましたコウノトリのインレイ、ローステッドメイプルネックやキルトトップ、フィンガーステップ等、オーナー様のこだわりをたくさん詰め込ませていただきました。

P.U.もNordstrandのNPJが載っておりまして、弾き心地や音にもご満足いただけたようでひと安心。

一本のフルオーダーをここで書ききるのは難しいので詳細は動画をご確認いただけたらと思います(どちらかというと動画からこのサイトに飛んできていただけるほうが多いのですけども)

動画も最近の子達は頑張って映像も撮って入れるようにしているので、昔よりは見やすいと思いますので。

 

 

で、このペースでは朝になってしまうので次のお仕事。こちらもお届け済みです。

ペグが一向に届かなくてお渡しは最近になってしまったけれど。

 

←お預かり時。

 

オーダー中心になってしまっているので、あまりリペアはお受けできてはいないのですが、通常ショップさんではあまり受けてもらえないような症状はお受けするようにしております。

いま会津のような田舎にはリペアマンがいないので…、私のような製作者にわざわざ頼って下さる方は大切にしたいですし、特に皆さま私が近年リペアはあまりお受けしていないことを承知でご相談下さいますので。

 

本来本職のリペアマンに比べるとどうしてもリペアは元々の楽器の造りに左右されてしまうことも多いため、あまり得意ではないのですが…この子のような木工が絡んでくる子は別です(これは前回も言ってますね)

 

 

患者はレスポールカスタム。

状態はキャビティに達する割れ、欠け、バインディングの一部欠損。

 

 

全体の塗装の経年も見られ、ネックエンド付近の塗膜も溶けていたりしていましたので、ご相談の結果、塗装を全部剥いで木工を含めたリペアを施します。

 

ここら辺までくると完全に私ども製作者の領域。

木を切ったり掘ったり繋げたり塗装したり、日ごろそういうことばっかりやっているので。

 

 

 

 

 

 

 

ということでまずは塗装を剥ぎます。

 

 

 

 

問題の箇所はバックのジャックを中心として亀裂が入ってます。どうしても強度的に脆い部分ですね。

 

で、これをあれやこれやします。

………。

……。

…。

 

 

 

かなり端折りましたが、ザックリ掘って新しいマホガニーを継ぎました。

 

アーチトップで難しいため、かなり集中してやってます。

 

継いだ材はマホガニー40㎜厚をあえて直交に、潰し塗装なので強度重視です。

 

 

 

 

もちろん途中の画像もあります。

 

上の状態に持っていくまでそれなりに大変でしたので。

 

 

継ぐ前はもちろん亀裂個所の補強でタイトボンドも流し込んだり、合間合間に色々やってます。

 

 

 

 

 

 

で、あとはバインディング溝も加工。

 

全体的にバインディングも経年劣化による欠けや亀裂も目立ったのでバック側は一周巻き直しました(トップ側はご相談の結果あえて残しておくことに)

 

 

 

 

 

 

で、バインディング処理完了。

 

カスタムのバインディングはパーフリングもあるので計5重。これもこれで結構大変です。

 

 

 

 

 

で、塗装へ。

 

これはいつも通り。

 

 

シーラーや着色、それからトップコートへ。

 

 

 

 

 

 

で、しばらく乾燥。

 

 

 

 

 

 

 

 

乾燥後はいつも通りバフ、その後組み込みです。

 

 

木工中どうやっても外れなかったエンドピン用のアンカーが抜ける事件がありましたが、こちらは丸棒を埋めて新たに穴をあけておきました。

 

 

 

 

 

 

こういうタイプのエンドピン方式は初めて見ましたが、いきなり外れることを考えるとちょっと怖いですね。

 

 

 

 

 

 

 

で、裏は元通り。

 

 

それなりの大手術でしたが、無事にお届けできて良かった。

一生モノだと思うので大事にしてもらってね。

 

 

 

 

 

と、リペア1件書いていたら結構長くなってしまった。

 

現時点でお届け済みのオーダーがさらに1件、製作中の子達が2本、他リペアもあったから書きたかったのですが、これは次回書きます。特に製作関係は長くなりそうですので。

 

 

 

ということで、久しぶりの記事でしたがご覧いただきましてありがとうございました。

 

 

 

会津は例年より早い桜も終わり、一気に暖かくなったり寒くなったり三寒四温。

 

皆々様も体調にはくれぐれもお気を付けて。

 

 

それでは次こそ早めに更新します。

 

 

おやすみなさい。

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