リペア―ネック交換・二連(前編)―

こんにちはこんばんは。

 

もう10月ですかー…早すぎる…。

 

あと大きな台風が次から次へとやってきていますね。

皆さまのお住まいのところは大丈夫でしょうか?

ここ会津は大丈夫なようです。多分ね。引きこもって人と話さない日常なので知らんけど多分大きな被害はないみたい。

 

…。

引きこもり。人と話さない。っていうとアレですね、風聞がよくない。どーしようもないやつにしか思われないかもしれませんので…念のため訂正すると、皆々様の楽器とはたくさんお話しています。

弦高だのオクターブ合わせながら弦の1本1本とお話してるし、ヤスリながら、ガン吹きながら、掘ったり埋めたりしながら対話をしています。なかなか強情な子もいるので、スローテンポな会話になることも多いんですけどね。

 

 

っとそんな具合で。本日はリペア記事。結構前のやつです。ってかコレ以外にも結構溜まってるんですよね。作業最優先でやってるからなぁ…申し訳ない。

 

ちなみに今回は前後編に分けます。扱う楽器は別ですが、オーナーさんがよくお世話になっている方で、前編で外したネックを後編で使用する、ということなので、今回はこういう形に。

 

で、作業内容も一部共通しています。前後編共にネック交換。後編はさらに追加でピックガードとピックアップも交換です。

 

 

ネック交換自体は…なんというか、うちでは結構頻繁にあるご依頼ですね。多分うちに限らないのでしょう。

そう考えると、ネックを交換したい。っていうのはプレイヤーさんの中では意外と多い希望なのかも。

 

すでに慣れている作業ですし、数あるリペアの中では作業難易度もそう高くないので良いんですが…、ネック状態や条件によっては交換したあと、すり合わせやブリッジ位置変更が必要になったりと、必ずしも簡単に終わらないのが難しいところではあるんですけども。

 

と、そんなことを言いつつ…まず今回の子の画像をほいさ。

あ、例によっていつものように、掲載許可も頂けております、ありがとうございます!!

ちなみにこのオーナーさん、次から許可はいらなくて全部OKというお許しを得ていますので、別件でいまやっている子も遠慮なく載せていきます。いやホントにありがたい。あと今回も序盤画像の輝度が暗くてゴメンなさい!

 

で、この子は元は普通のストラト系だったんですが…すでにボディがカスタムされています。

Astronauts Guitarsさんという工房にてカスタムしてワンマスター化してあるということです。

ジャズマスを得意とするところの工房さんのよう。うちのよーな得体の知れない男が1人でやってるところじゃなく、数人で行っているしっかりしたところみたい。…書いてて自分で悲しくなってきた…。

 

場所は…神奈川だって。まぁ会津なわけないですね。そもそもここ楽器屋ないし。

 

で、今回はわざわざカスタムしてあるボディはそのまま…、

 

ネックの交換です。

 

いまついているネックから画像下のネックへと付け替え。

※なお、外したネックは後編の子へつける予定。

 

 

 

 

で、ネック交換でありがちなんですが…、

 

 

 

ネックエンドとボディのビス位置が合っていないと、仮組みしたときに、このように隙間が、というより傾きが発生します。

 

 

 

 

 

 

 

で、傾いてジョイントされるということは、このようにセンターの位置がズレます。

 

この時点で、これは楽器として致命的に過ぎますので、この瞬間ギターとしては終了してしまいます。

 

なので、こういった場合にネック交換のご依頼が多々発生するということですわ。

そもそも同じメーカーのネックとボディでも怪しいときは怪しいのに、他メーカー同士だと尚更、ネックとボディが一発で合うなんてことはないですね。

…いやまぁ、僕が知らないだけで意外と合うのがあるのかも分からんけど。

しかもビス穴位置が合うことも稀です。この子の場合はたまたま合って(結果、傾いて)しまっているわけだけど、穴がそれぞれ合わないと取り付けることすら不可能なので…後編はそのパターンです。

 

 

ですので、いつものよーにネックエンドのビス穴を埋めて、あけ直して…となるわけですが…当サイト内でもこれまで何度もあった内容ですので…ダイジェストでどーぞ。

 

 

 

まず元のビス穴を一度綺麗にあけ直し。

 

 

 

 

 

いつものよーにラミン棒とタイトボンドで圧入、接着。

※ただラミンにも例えば4mmは4mmでも0.1mm単位で誤差もあるので、圧入前にサンドペーパーで軽く径を整えます。

 

 

 

 

で、硬化後、

 

 

 

 

 

 

余っている部分をノミなどでツライチに。ここで平面出せてないと全てが終わるので、執拗に追い込みます。

この作業結構好き。しっかり砥いだノミだとアッサリ削れてくれるので、苦しい砥ぎの時間が報われた感がある瞬間です。どっちかっていうと刃砥ぎというより砥石の面直しがツライんですけども。

 

 

 

 

で、最後に穴をあけ直して完了。

 

 

 

 

 

でもってあとから見てみると、これだけ位置がずれていたことが分かります。

てーへんだてーへんだ。

 

 

 

で、今回(前編の子)はこのネックエンドだけでいいか~、と思ってたんですが、

まだ修正箇所が残ってました。

 

ペグが。…Pegが!いや違うよカールトンのRoom335じゃねぇよ、本物のほうのペグだよ。

 

なんでこうなってたのかは分かりませんが…微妙に不安を感じた次第なので、これもケアすることに。このくらい浮いちゃっていると精度にも影響するし。

 

 

 

 

 

外してみるとビス穴も割れが入っていたので、隙間にボンドを流しつつ、埋めます。

 

 

 

 

 

 

 

接着中。

ちなみにこの作業はネックエンドの接着と並行して行っています(フラグ)

 

 

 

 

 

 

で、ツライチにして、穴あけ。

 

 

 

 

 

 

 

修正完了。

 

 

 

で、同時進行のネックエンドも終わらせた後で気づく(フラグ回収)

 

 

………あ。

 

…なんで俺は気づかなかったんだ…片方がそうならもう片方もそうに決まってるじゃん…。

この時は8月はじめの夏真っ盛り。暑さで脳がやられてたとしか…。

 

 

 

 

自分のばか、あほ、おたんこなす、はげ…罵倒しながらとっととこっちも終わらせました。

 

 

 

 

 

またこれだけは言っておきますが、僕ははげてません(どうでもいい)

むしろ髪は多いほうです(しつこい)

というか過去最長に匹敵するくらいには髪が伸び放題になってまして…最近は普段から結んでいるのですが…受け渡しでお会いする方々にはうっとおしくて申し訳ないと思うばかり。

 

 

近頃の自分の見た目のアレさに言及しつつ…、

二度手間でしたが完了です。というかこのペグのビス穴に関しては最初自分じゃ気づいてなかったんですよね。

ちょうど作業する前にお客さんがたまたま遊びにきていて、それを見て気づいてくださいました。夏はまだ工房にも人が入れるくらいにはマシな環境だった…もはや溶剤やらなんやらでとても入れられないが。

 

 

 

で、色々ありつつ…ようやくネックをつけました。

 

 

 

 

…うん。しっかり嵌ってますね。

 

 

 

 

 

隙間や傾きもないので、大丈夫そうです。

もちろんセンターもしっかりとれています。

 

 

 

 

最後にエリクサーを張って…各種調整して、

 

 

リペア完了。

 

 

 

いま気づいたけど、撮影している自分がピックガードに映っている…。

お目汚し失礼しました。

 

 

別アングルです。

作業台が汚いのは仕様です。いまさらです。

 

むしろ今の方が汚いのでマシなほう。

 

 

たぶんここ最近の作業内容も近々上がるので、その時の汚さには目を瞑っていただきたい。

 

 

 

で、多分後編にも続きますので、そちらは近日中に上げてしまいます。オーナーさんにも別件で止まってるメール返さんといかんし。

 

 

また近況ですが…、台風や雨の影響であまり吹けていないので、最近は調整をメインで、あとはひたすら塗装面を研磨してます。

 

 

実際吹く時間より硬化待ち、研磨時間のほうが塗装工程の圧倒的割合を占めるので、そっちも頑張らなきゃ…。

塗装も1本終わったけどあと3本もあるし。

 

地獄の研磨を終えたあと、いざ吹こうと思うと雨だったり台風きてたりすると困るんですよね、まったく。

ただここ最近は順調にお仕事出来ているので、ボチボチ記事も時間が空き次第更新します。動画も…が、がんばる。

 

 

 

 

 

 

ってことで本日もお疲れさまでした!

 

 

 

 

 

ほなー。

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