こんにちはこんばんは。
終わんねぇよぉ…GWとか全く関係なく仕事してますが、終わらないんですよぉ…。
先月は作業終わったと思ったら、追加でお仕事いただいたりで終わりきらなかったりした子達が何本かあったり。
なにより、
塗装が終わらない!!
完全に自分のせいなんですが、調色がイマイチ気に食わなくてやり直したりしてるからいけないんだと思う。
あー…あと途中で突き板剥がれてきたりする子もいたりするから…。←製作の子じゃないですよ?1から自分で責任もって作ってる個体がそんな具合になるわきゃないので。ボディにアールついてる子に後から貼ったりするのは本当に大変なのです…。
で。
今回は何を書こう、と思っていたんですが…最近は塗装しかしていないので、それ関連で書きましょう。
少し前にお問い合わせをいただいて、ちょっと確認がてらネットで色々工程を確認していたら気になった点もありましたので。
で、思ったんですよ。
いまどき作り方…それこそ木工でも塗装でも情報はいろいろ転がってんですが…塗装関係は本当に多いですね。
ご自分でリフィニッシュされたり、という記事はかなり多い印象。
ただ…結構危ういなぁ…と思って。
言ってしまうと「正しくない」工程が堂々と公開されていることに危機感を感じます。
塗装はケースバイケース。
材は何か。―環孔材ですか、散孔材ですか?環孔性散孔材とかもあります。樹種によってはヤニが多い材もある―
何を使って塗装します?―ホムセンのスプレーや刷け塗り、コンプレッサーを使ったガンによる吹き付け、ウエスを使ったりもします―
そもそもどういう塗装にします?―オイルフィニッシュやシースルー(トランスペアレント)塗装、つぶし。さらにバーストしたりキャンディにしたり色々あります―
使う塗料は何にしましょ?―大きく分けると水性、油性、ラッカーだけど、さらに分けるとウレタンやエステル、最近じゃUVなんかもあります―
と、まぁ条件は人によってかなり変わるんですよね…。
さらにタチが悪いのが、間違った情報でも「結果」上手くいったように見える場合。
もちろん本来の工程の順番を意図的に変えて狙った効果を出す場合もありますが…それは工房やメーカー、1から作っている個人製作者の一部だけです。
結果的に上手くいってるなら良いじゃん?て言われるかもしれないけれど…だからと言って全く同じ材、塗装方法、塗装手順で上手くいくとは限らない。それが危ういなぁ…と思う次第。
とか言ってても、僕もまだまだ未熟ですので上に挙げた全ての条件を網羅しきれていません。つーか、本職の塗装屋さんじゃないだから完璧に分かるわけじゃないし、「塗装」て一口にいっても漆塗り職人さんや板金塗装されてる本職さんみたいに専門分野は多岐に渡っているので、本当の意味で完全に理解しきれるわけがない。
楽器塗装に限っても同様で、確かに木工塗装に対してはそこそこ知識はありますが…どうやっても本職には敵わないんですよね。
塗装に関してこれだけ色々調べて、頭痛くなるくらい勉強しても、全然足りない。どんだけ試行錯誤をして調色やら使う塗料を色々経験として扱っても、まだまだ届かない。…悔しいですけど、それが今の自分の限界です。
だから、全てのパターンで深く理解しきれているわけじゃないのですが…今回は比較的自分のまだなんとか得意といえる分野に限定して書いていきます。ゴメンなさい、予防線張るだけでこんなにダラダラと書いてしまった…。
まぁつまるところ、僕がある程度自信をもって書ける塗装なんて1つしかないんですよねw
シースルー塗装です。
僕、それしか出来ません…ホント情けないことですが。…潰し…苦手なんだよなぁ…。
あ、シースルーと言ってもクリアラッカーで着色したりする場合もありますが、僕が主に使うのはステインですね。
で、このステイン。オイルステインとか水性ステインとかアルコールステインとかパウダーのステインとか色々あるんですが…毎日これだけやってても思い通りにいかん…。
あ…そういえば。
ステインにも顔料系と染色系とあって、ベースやギターの塗装には「染料系」が良いという書き込みもどっかで見たんですが…んー…どうなんでしょうねw
言ってしまうと、染料系のほうが綺麗に染められるから良いかもしれません。…が、扱いは難しいです。慣れていないなら顔料系のほうがまだ綺麗に仕上がります。
最近じゃ顔料系もかなり粒子が細かいところまでいけるようになっているので…そこまで大きな違いは無いんですよね。
僕は…どっちも使います。だからどっちが良いっていうのは明言できません。
染める場所や材、狙う色味によって変えています。
ちなみに顔料系はワシンのポアーステイン。昔からお世話になっていて今でも使います。
他にも多分ターナーのウッドステインもそうだと思うのですが、成分表のデータシートが公開されていないからよく分からん。
染料系にしてもそうですが、ちゃんと公開しておいてくれないと困るんですよね…。
で、モノによってはポアーステインにしてもターナーのウッドステインにしても合成樹脂も入っていたりします。
入っていない色もあるし、比率としてはほんの数パーセントなのですが…あまり無視も出来ません。逆に言うとコレがあるからしっかり着色できるってことですね。
なんにせよ上述のステインはどうしても水性ステインなので…使いどころがちょっと限られるんですよね…。あ、普通に木地着色する分には全く問題ないどころか、むしろお勧めできるので普通はあまり気にしなくて大丈夫なところです。
が。例えば、プライマーとか吹いた後には上のステイン達は使えません。使っている方もいますが、逆効果です。また、それで上手くいっているようにみえても、プライマー層の吹き方が足らなかった為にそうなっているだけです。こーいうのなんていうの?怪我の功名?…違いますね。
なんにせよ、プライマーって必ずしも必要なものじゃないんですよ。つぶしとかだと使うけれど…。
シースルー系の塗装が多い僕は最近あんまり使っていません。
主に中塗りの本着色をする際に塗料の染み込みやブリードを防止したり、上に塗る塗料の食いつきを良くするためのものなので…。シースルー塗装で木地にステインで着色したいのに、弾かれたら意味がありません。
逆にウッドシーラーを使う場合もありますが…材によるかなぁ…針葉樹系なら使うのもありなのかな…?ただメイプルとかには使いませんね。
どっかで誰かが言っていたんですが、そもそも「プライマー使う必要がないくらい下地をキッチリ作れれば良いだけ」というのは至言だと思う。
特にシースルー系は木地の具合が見える塗装なのだから、下地が何より大事なのは今さらな話です。
ていうか、一番下にそれを吹くっていうことはそれだけ塗膜が厚くなるということで…誰が好き好んで分厚い塗膜の楽器を弾きたいよ、ってことになりますね。
まぁアルコール系ステインなら何とか上から着色できますけどね。もれなく下のシーラー層を侵すけど。
ただ、一番下にクリアでオーバーコートしたりして、あえてステインで着色したりする場合もあるので一概には言えないのですが…。ついでにグレインライジングも防げるから有効ではあるのかな。処理した導管の残りを埋めるのにも使えそうです。やったことないから知らんけど。
自作勢の諸先輩方のメチャクチャ詳しい方ならもっとよく知ってらっしゃると思うんですが…そんなこと気軽に聞ける知り合いはいないし…多分この手の話をしだしたらそれだけで一夜明けそうです。。
まぁ結論としては、少なくとも何の添加剤も加えていない水性ステインでは下にプライマーとかは逆効果ということですね。
一応ギリギリ可能ではある、というくらい。
なおかつポアーステインの原色系のものにはアクリル樹脂も入っていますので、一応着色は出来るというくらい。
ただ、ここで顔料系と染料系に話を戻すと、純粋な染料系の水性ステインだとまず間違いなく弾かれるということ(経験済み)
もう何が違うの?てなるけれど…んー…アレですね。木地「着色」=顔料系。木地「染色」=染料系。って言い換えてしまったほうが分かりやすいのかなぁ。
成分やらなんやら言ってたらなんかややこしくなってきた…。
もうつまりアレですね。
下地をしっかり作る。つまり最適な番手で研磨して、材によっては導管をしっかりフィラーなり砥の粉なりで埋める。
ステインで着色する。
シーラーとクリア何回も吹く。何回も研磨する。
鏡面出しして終わり。
っていうだけです。
こう言ってしまうと単純ですねー。分かりやすくて良い。
ただ、工程が少ないからこそ誤魔化しがきかない。ということでもある。
もちろん塗膜もつぶしより薄くなる。
単純に見えますが、シースルー塗装が難しいといわれるのはそれが理由です。
僕は楽器が木材である以上、木目や杢の美しさを魅せてナンボだと思っているので、これからもこの塗装方法に拘ります。
あ、もちろん楽器としては何より音と弾きやすさが最優先されますけどね。
僕が目下悩んでいるのが、工程や下地作りとかじゃなくて、調色なんですけれど…。
どうも上手くいかないんですよねぇ…。
基本的にステイン着色は何度も重ねたほうが杢目が引き立ちます。
ただ、重ねて重ねて…ってやってるとどうしても色が濃くなる。それじゃ良くはないですよねぇ。
1色で複数回重ねるのは当たり前なんですけれども、個人的に1色だけ最初に調色して着色するのがあんまり好きじゃなくて…。工房によってはその色だけで着色して、かなり濃い目で調色して重ねる回数を減らしたりもしていますが…僕のやり方とは合わないかなぁ。
うちは「変化」ありきで作っているので、複数色使って重ねるんですが、
今回は最初の木地着色の段階で複数色重ねて、シーラー挟んでの、さらに着色もしようとしているから…なかなか難しい…。
溶剤は水だったりIPAだったりアセトンだったり色々使ってます。工房がシンナーだけじゃなくてアルコール臭も半端無くて敵いません。
本当に、調色はセンスだと思う。
で、これほど苦戦していたり満足いっていないことから…ま、僕にセンスはないんでしょうねwどーせどうやったって禍々しく仕上がるんだろうし…。
なーにが悲しくて世間様がGWで後楽日和ってる時に、部屋に引きこもって手先を紫とか青とか赤とか黄色とか黒とかに染めながら仕事しているんだ…。大分お待たせしている自分のせいですね…休日返上で頑張ります…本当に申し訳ない…。
いいさ。どーせ予定なんかないし。
今日も夜中からこんなダラダラと長い記事書き始めて、いよいよお外が明るくなってきたので、本格的に寝ようと思います。
あ、GW中は雨も降るらしいので、川の氾濫とか土砂崩れにご注意ください。って天気予報で言ってました。
アレだ、集団で楽しく大騒ぎしたい連中は川の中州でバーベキューなんか良いんじゃなかろーか。
普段着登山なんかもお勧め。
そもそも、そういうアウトドアとは対極にいる僕なので…縁のないレジャーですね。おうち最高。
っといかんいかん、ますます部屋の中が明るくなってきよった…。
アホなこと言ってないでとっとと寝ます。
では、本日もお疲れさまでした!!
ほなー。