フルオーダーギター製作【1本目】②―ボディの貼り合わせとディープジョイント、テノン作成中―

こんにちはこんばんは。

 

前回の更新分でみっともない言い訳をダラダラと垂れ流してしまったので・・・こちらはしっかり書きます。

 

今回は製作記事ですね。

ここ最近の時間と体力の大半を奪っていった作業を書いていきます。

 

前回の記事でどこまでいったんだったかな・・・。

 

この前は製作始まりましたよ、の記事でしたね。

 

ネック材の準備やロッドの溝掘り、トップ材のブックマッチでの貼り合わせとボディシェイプのカット、センター浮きの修正までやったんだった。

 

あ、軽く脱線しますが、4本目の製作は実はすぐにも再開できます。自分の新作なので後回しにしているだけで。そんな時間がないんや・・・。

 

なので今回は5作目になるのかな・・・?ナンバリングとしては。

実は6作目の一部の材が届き始めていることは考えないでおこう・・・。

 

この5本目に関してはオーダーですが、メイキングの動画も作って良いという、オーナー様のご好意をいただいているので、完成した暁にはしっかり作る予定です。さすがに自分のモノじゃないから金額云々は載せられないけどね。

 

ただ、3作目と同じPRSタイプの動画となるので、同じシェイプのものを連続で上げたくないなぁ、とか舐めたことを考えているので出来れば4作目の動画のあとにしたいけれど・・・ムリかな?ムリか・・・。ムリだね。

もう1年近く新作を上げていないし、上げる上げる詐欺になっているから、いまだに頂くコメントにも返しずらいというジレンマになっているので・・・なんとかしなきゃなぁ・・・。

 

 

 

と、まぁそんな出来もしないうちから皮算用していても仕方ないので、とっとと本題に入ります。

 

 

トップ材が準備できましたので、次はバック材の準備です。これが大いに手間取りました。

 

今回はバック材のみ国内から購入しました。

いつものアイチさんです。

ちなみに材はご指定いただいているので、ホワイトアッシュ。当然グレードはAA。一番良いものです。

・・・というか、せっかくのオーダー品にトップグレードを使わないわきゃない。

もちろん費用や在庫との相談になるけれども、僕はグレードの低い材は1本目の頃からあまり使いません。

 

出来るだけ安く仕上げる・・・というのも面白そうではあるのですが・・・それに相応しい熱量を注げるか、と言われると結構厳しいものがあるので。

なにより、杢ありのトップ材を使ってアーチトップの、ましてやPRSなんて本当にめんd・・・難しい子を仕上げるのに安材なんか使うわけにはいかないのである。

 

で、件のホワイトアッシュですが。

今回もバックパネル類を同じバック材で仕上げたかったので、割り加工をしてもらいました。

アイチさんの加工メニューからは消えているけれど、頼めばやってくれるそうなので。

厚は何mm欲しいか、アッシュは反るので云々と・・・メールで結構やり取りしました。

正直自分で挽き割り出来るし、単純に割りが面倒だったのでお願いしただけで、欲しい厚も特になかったので、30mmに割って、残りを5mm以上で指定したわけですが・・・。

 

え・・・。

 

 

何だコレ・・・。

 

反りすぎじゃね・・・。

 

 

 

これでちゃんとプレナーで仕上げたの?

 

 

いくら反るっていっても、もう少しマシな部材を送ってくるかと思ったよ・・・ましてやグレードはAAだし。

5mmのほうは論外です。

電装系のほうのパネルは何とか使える分を削り出せそうですが・・・スプリングキャビティは・・・いけるかなぁ・・・。

 

で、肝心の30mmのバック材。これも結構反ってます。

 

・・・完全に失敗ですね。

 

 

 

 

前回の記事の、トップ材をブックマッチして発生したセンターの浮きなんてレベルじゃないです。

 

 

これなら自分で材だけ割って貼り合わせたほうが良かった・・・。

 

 

と、いうかアイチさん。こういう材を送って寄越すのはこれが初めてじゃないし・・・もうさすがにダメかなぁ・・・。

 

自分の望む水準から大きく下回っていますし、杢入り材を輸入したならともかく、これはちょっとね。

 

愛好している楽器屋さんやスクール卒のプロの方々には申し訳ないけれど、僕もそろそろ他のガチ製作勢のように初心者向けの楽器用材のお店はいい加減卒業しよう・・・。

 

 

まぁそんなこともありつつ。

 

失望や諦めを抱えながら、ラフカットしてから平面を出します。

 

手作業で。

 

もうひたすらひたすら。

 

合言葉は「オノレ、アイチ」

 

数時間なんてもんじゃないです。

 

 

数日間コレだけをやってました。

 

前回も言いましたが本当に大っ嫌いな作業です。

 

 

これを延々と。本気で気が狂うかと思った・・・。

 

 

ドラムサンダーなら一発なんですけどね。

そんなもんあるわけないし、そんな金があったら諦めて馴染みの木工所に外注します。

 

で、

なんとか平面を出しました。

 

片面は気合で平面を出して、基準面を作りつつ、もう片側はセーフティプレーナーなどを使用しました。

まぁそれでも最終的には手作業でもう片側も平面出ししたわけですが・・・。

 

 

 

で、そんな具合に呪詛を撒き散らしつつ完了させたら、いよいよトップとバックの貼り合わせをするわけですが・・・。

 

ココらへんから気分がやっと上向きになってきましてw

 

 

小技をきかせます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カッタウェイ部分の画像です。

 

ここを一足先に手を加えておきます。

 

 

3本目の深紅の、個人的に大きな失敗・・・というか気に入らなかった部分なのが、カッタウェイ付近のバインディング。

 

ここの改善を図ります。

そもそもPRSはバインディングを「巻いて」いません。

アレは基本的にナチュラルバインディング。あえて塗装をしないで、バインディングに見せているわけです。

また廉価版のSEやコピーモデルでも、バインディングをしている機種はありますが、1弦側の大きく抉れている部分。

 

 

ここが不自然に途切れているわけです。※画像はSE・・・かな?アーチが弱いからベベルドトップですかね・・・。

が。

 

 

個人的にすごく気に入らない。

 

 

なので、

深紅の時は、このようにネックが乗るギリギリのラインまで巻いたわけです

 

・・・が、それでもイマイチ仕上げの点で納得いっていなかったので。

 

 

今回は貼り合わせの時点で解決を図ろうと思ふ。

 

 

・・・こうしてみました。

トップで3mm、バックで2mmほど溝を掘りました。

で、貼り合わせたときにこういう形になるわけです。

 

これが上手く機能してくれれば、見た目の点で大きく改善が図れます。

最終的にバインディングを巻いてみてからですね。

 

まぁ、PRSのアーチにバインディングやパーフリングを巻くっていうのが、そもそも無茶な話で。

 

この点については3作目のときから、考えに考え抜いています。

 

さすがにこれをやっている人は他に知らんから参考になるものもなく・・・無い知恵を総動員しています。

 

言ってしまえば独学なので。トライ&エラーの繰り返し・・・実際エラーばっかだけど、だからこそ、自分の出来ることを一から探さなければならない。

 

新しいこと、方法、手順を探して自分のモノにする、これだけは自作勢、独学で作っている僕らの強みです。

特にPRSのような、作るにあたっての情報が少ないギターはそうですね。いやぁ楽しいなぁ。

 

 

で、小技もきかせたので、いよいよ貼り合わせです。

 

 

 

 

 

 

 

あ、関係ないですが、いよいよ冬が近づいてきましたね。

 

来月12月になればクリスマスに年越しに・・・2月になればバレンタインまであります。

 

寒い季節がやってきますね。

 

・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ケッ・・・。

おっといけない、タイトボンドが勝手に・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

ついつい本音が駄々漏れてしまいました(´・ω・`)

 

 

 

 

もちろんこのまま貼っつけたりはしてませんよ?

 

 

 

 

ちゃあんとスクレイパーで均して、貼り付けます。

 

さすがにこの迸る感情を込めたまま作るとか、あんまりにもあんまりなので・・・

 

均して真っ白な雪原のように消し去ってから、貼り付けます。ん・・・?雪原?・・・ゲレンデ・・・くっ頭の中で広瀬香美が流れている・・・。

 

 

 

 

 

 

・・・やるせない諸々を込めて貼り合わせます。ゲッダン!

 

 

 

 

 

ちなみに本数を重ねるごとに増え続けるクランプさんたち。

 

 

大半は100均のCクランプや200円のFクランプですが。

 

 

本数は30超えまして、過去最多。クランピングする場所もなくなったので諦めました。実は手持ちの全てを使い切れなかったりします。

それでもカムクランプはやっぱり欲しい・・・1本20ドルは勇気がいりますね・・・。

今後のアコギのためにスプールクランプも必要ですが・・・あっちはそのうち自作すればいいかな。

 

で。

完全硬化後、残ったボンド類も一緒に消しつつ、シェイプを整えて・・・。

 

 

 

 

貼り合わせは完了。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後はポケットの位置を罫書いて・・・

 

 

いよいよザグリます。

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・まぁ、今さらなんということもない作業ですね。

 

 

さ、て。

 

大変なのはココから。

 

 

PRSは難しい、と勝手に僕が思っているだけですが、その最たる理由が、そのディープジョイントにあります。

 

 

・・・本当に難しい。

仕込み角だけじゃなくて、カッタウェイの角度まであるんだから、レスポールどころの話じゃありません。

 

 

少し余裕をもってラフカットした後は、もうひたすら手作業です。

 

 

ノミやヤスリを使いますが・・・こればかりは本当に腕一本ですね。

 

チマチマと削って勘合部を作っていきます。

 

 

← 一日目時点。

 

 

ポケットには収めましたが、まだまだ勘合までいってません。

 

 

 

 

 

また、カッタウェイなどの角度のあるところを切るときは、こういう風に手鋸で切っていきます。

 

まぁなんだかんだ言って自分の手が一番信用できますので。

 

 

それにしてもこのネック・・・切るにしても削るにしてもやりずらい・・・。

 

杢あり、しかもプライベートストックなので癖が強くて敵わん。

自分で作ったネック材なので文句も言えない・・・加工難易度たっけぇなぁ・・・。

 

良いグレードの木材や杢目が強い部材は当然、加工難度も高くなります。

僕がいつもグレードの高いものや杢目材ばかり発注する理由の1つですね。

 

 

難しいものを扱わなきゃ、

新しいことにも挑戦しなきゃ、

腕は上がらんので・・・。

 

なにも高いから良い木材だ!って決め付けて発注しているだけではないんですよ?

それに安材相手にするのと、高価な木材を扱うのでは緊張感も全く違うので・・・とか言ってると某ギターをクラフトするアカデミーを敵に回すからあんま言わんとこ。

 

 

で。

 

← 二日目時点(現在)

 

 

そこそこ勘合してきました・・・が。

 

まだ・・・まだまだ。

 

 

全然完璧じゃないので、あと1日か2日はこの作業に費やすでしょう。

 

 

 

そのくらい大事なところだから・・・絶対に手は抜けませんね。

 

ここはどんなギターでも一番大事なところ・・・しっかりやらなければ。

 

こういう木工の腕が試される部分は苦しいし、遅々として進みませんが・・・本当に楽しいですね。

 

1つのことだけに全力で集中していられる時間というのは、何ものにも代えがたいものです。

 

 

 

この作業だけでも納得がいくまではまだまだかかりそうですが・・・精々それを楽しみましょう。

 

 

 

 

 

 

 

ということで。

 

作業時間はとんでもないのに、進行度としてはイマイチ進んでおりません。

 

まだ木工も前半だし。

 

とはいえ、平面出しも然り、ネックジョイントもそうですが、ここらへんは絶対に手を抜けないところなので仕方ないですね。

 

ここがしっかり出来ていれば後々が(比較的)楽になるし。

 

・・・地道に頑張ります。

 

 

多分次回も、ネックの勘合作業の続きからとなります。

 

 

構造的な詳細もまだご説明できていないですし、そこら辺も加えながら作業を終えて各ザグリに入っていきましょ。

 

 

 

 

 

 

 

ということで、今回も長々とありがとうございました!

 

 

 

 

 

ほなー。

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