フルオーダーギター製作【1本目】④―ヘッドストック及び、ロッドカバー製作(ガチ)、ついでに指板加工中―

こんにちはこんばんは。

 

時間に余裕が出来たので更新しておきます。

 

まぁ余裕が出来たと言いますか・・・寝る時間が遅くなるだけですし。

いま?まだ宵の口でしょ??時計の短針は右下だけどね。ウフフッ

 

 

さ、言ってないでさっさと書いていきます。じゃないと本当に空が明るくなりかねない・・・。

 

てことで製作記事を書いていきます。

 

まずはこちらをどーぞ。

 

前回まではボディがメインでしたからね。

 

 

 

同時進行で進めていたネックです。

 

 

 

といってもネックだけでは同時に出来る工程もそう多くないのですが・・・。

 

 

 

上の画像はヘッドの耳を接着しているところ。

ロッドの溝掘りが終わっていますので、その次はこの工程です。

 

こればかりはトリマーやルーターで溝を掘った後にしなければなりません。

 

製作だと順序ってのはそこまで重要じゃないのですが、いくつか守らなきゃならない順序もありまして・・・ストレートガイドを使って溝掘りをするなら耳の接着は後回しになります。

あ、ただアルミアングルかなんかでガイドを作って溝掘りをするなら、耳は先でもいーのかな・・・そんな手間のかかる方法で掘ったことないから知らんけど。

また、製作工程の順序について・・・厳密には全部あるのかもね。工場や学校だとそういった決まりがあるのかもしれませんが・・・知らんわ、んなもん。ガッチガチに何かルールのようなものに縛られるのが大嫌いなもので。自由にやらせてもらえさえすれば、時たま異常な結果を叩き出す子です。つくづく組織内や集団内では使いずらい子や・・・。

 

で、だ。

 

 

画像は少しさかのぼりますが・・・ヘッドプレートの加工もやっていました。時期的にはバック材の平面出しで苦しんでいた頃ですね。

 

使う材はコレ。

 

 

 

またまた昔の届いたときの画像から一部拡大してきました。

 

 

これも良い材です。

ボディトップ同様、得意のキルテッドメイプル。

 

ちなみにグレードは5A だったかな。最高グレードです。

やっぱ綺麗ですねぇ・・・。

 

で、これを普通にそのままヘッドストックにしても良かったのですが。

 

こちらをご覧くださいな。

 

 

8mm・・・。

 

 

ヘッドプレートなんて正直2~3mmもあれば十分です。

 

 

8mm・・・か。

 

そのまま3mm程度まで厚を減らして、一枚そのまま使っても良い・・・。

 

 

まぁこんな感じになりますね。

 

 

ちなみにこの時点でのヘッドストックの製図は、デザイン等が反映されていませんので、そのままZemaitisのままです。

 

 

 

 

でも、さ。・・・それじゃ面白くないじゃん?www

 

 

てことで加工します。余計なことを・・・。

 

 

 

ハイ、まずは半分に切ってしまいました。あぁ勿体ない。

 

 

やっぱり5Aを切るのは悲しいね・・・。←じゃあやるなよ・・・。

 

 

 

で。

 

 

こうします。

 

結構勇気のいる行為です。

 

8mmの挽き割り。

 

 

少し前なら出来なかった。

が。

 

いまなら・・・!

 

 

できた。

 

やったぜ。

 

 

 

 

 

 

 

 

あれだけネック製作で苦労したんだ、これが出来ない俺じゃねぇ。

 

 

 

挽き割り、完了―。

 

ただ、やっぱ杢入りだと普通のマホガニーやウォールナットを薄く挽くよりずっと難しかったです。

 

何はともあれ、このように縦に挽き割りした部材を本を開くように広げて・・・左右対称のブックマッチという形で貼り合わせるわけです。

 

で、ここからはいつものブックマッチでの貼り合わせ。

ただ、厚が4mm以下(挽き割った時にノコ刃の刃厚・・・いわゆるアサリ幅の分、材の厚みは減ります)なので、いつもの自作のジグだと貼り合わせには厳しい・・・ということで。

 

 

 

こーいう方法をとります。

 

ヘッドストックは小さいしね、こっちの方がお手軽です。

 

 

 

昔、どっかの動画で見た方法。アコギなどの製作だとトップ材が薄いので、こういう風に貼り合わせたりするそうです。

 

ちょうどよくコレまでの製作で出た端材・・・ネックのヘッドアングルを切ったあとの残骸が使えました。

これで良い具合にセンターの浮きも抑えられそう。

 

唯一のミスは、接着時、うっかりワークテーブルに固定してしまったがために、一晩テーブルの一部分が占拠されて邪魔で仕方なかったこと・・・次は接着する台とかしっかり考えよう。。。

 

 

で、完全接着後、ボンド等をサンディングしてある程度キレイにして・・・シェイプもカットしてしまいます。

 

 

 

で、こーなりましたとさ。

 

 

 

 

ちなみにセンターの浮きはほとんどありませんでした。

・・・あの接着方法、いいっすねw

 

 

ただ厚い部材の大きな材(つまりアーチ用のトップ材のことね)をブックマッチするには・・・十分力がかかるかって点でなんともいえないところではあるんだけど・・・薄い材の貼り合わせには使えそうですな。

 

さて。

 

ある程度ヘッドストックも進んだので、次の工程です。

とりあえずヘッドのシェイプは画像のラフカットのままにしておいて・・・また何を思ったのか小物を作り始めることに。

 

といってもエスカッションやバックパネルは後回し。今回はトラスロッドカバーです。

 

 

んが、その前に・・・。

 

まずはコチラをご覧いただきたいのさ。

 

3作目深紅の時のエスカッションとロッドカバーなんですがね・・・ロッドカバー・・・地味過ぎやしませんかね?w

まぁメチャクチャてきとーに作ったと公言しているので今さらではあるのですが・・・あんまりにもあんまりです。塗装でキレイに見えるだけ・・・それ以外はシンプルに過ぎる。

 

この件はオーダーをいただいた時にオーナーさんとも話していて・・・。

 

まずキルトメイプルのロッドカバーだと、キルト杢の性質上、杢目が大きくなりがちなので、小さいカバー類だと杢が目立ちずらいのが難点の1つ。

こればっかりは仕方ないことではあるのですが、キルト杢は大きくてダイナミックな杢目がその魅力ですし・・・。

 

また、インレイや模様がないカバーは地味・・・だけど下手にインレイすると、ただでさえ分かりずらい杢目が消える・・・という問題もあり・・・どーしたもんか少しメールでやり取りしていましたが・・・。

 

オーナーさんより、「ではフチにパーフリングは巻くというはどうでしょう?」とのお声が。

とっても良いアイデアでありがたいお言葉でした。ただ・・・前から考えていなかったわけじゃないんです・・・当時、・・・今でもですが、カバー類にパーフリングを巻く、というのは現実的ではないんですよね。

ギターのボディや指板、ヘッドにパーフを巻く場合、一番外側にくるのはバインディングですが、その内側に1.5mmくらいの深さで溝を掘って巻くのがパーフリング。それに対して、外側を深さ4~6mmで溝を掘って巻くのがバインディング。要するにバインディングでしっかり抑えられているからパーフが巻ける、ということです。←説明が長いわりに分かりにくくてごめんねw

 

で、「パーフリング無くても大丈夫ですよ!^^でしたらカバーに小さいインレイをお願いします」的な優しい妥協案もいただきました・・・。

繰り返しますがありがたい、大変助かるお言葉でした。そのわりにザックリした感じの言葉にしかここではお伝えできていないんだけどさw

 

 

 

・・・が。密かにここらで僕は思いました。

ここで諦めたら負けた気がする、と。

いや別に何に負けるということはないんだけどw強いて言うなら・・・自分に、かな。

ここで優しさに甘えてたら絶対自分の理想なんか目指せない。腕は磨かれない。

 

 

で、オーナーさんには「分かりました、どんなインレイにしましょ」とか言いつつ密かに計画を練っていたのだ。また余計なことを・・・。

 

目指すは、

インレイをする。

パーフリングをする。

杢目も生かす。

 

 

てことでやってみた。

 

アレだ。得意の、

 

トラスロッドカバー、本気で作ってみたww      ←誰も求めてません。

 

ていうかロッドカバー作りならRay’s Factoryさんが本職だし、どう足掻いてもアレには及ばないんだけどねw

 

ま、やれるとこまでやってみましょ。

 

 

まずはコチラをどーぞ。

 

材料たちです。

 

右上はキルトメイプル。ヘッドストックに使用したものと元々は同じ部材です。

ヘッドに使用した材はまず8mmの一枚を半分にしてから、片方を縦に挽き割りしましたが・・・この右上のものはその時に使わなかったもう片方の材ですね。それをまた挽き割りしてブックマッチで貼り合わせました(もう何が何やらw)

 

で、その下の木材は4本目のトップ材加工時に余った端材。カーリーメイプルです。

コレも割って薄くしました・・・多分1~1.5mmくらいの薄さですね。地味にプライベートストック、AAAAAオーバー。これを一番下のバック材として使用します。

 

上記のカーリーにせよキルトにせよ、挽き割りしたあとにはサンディングしたり、厚み調整のためにセーフティプレーナーを使ったりしています。

 

で、左に写っている黒いシートと白いシート。これがパーフリングの大元みたいなもんです。材質はいつものCAB。厚が黒は0.3mm、白が0.5mm。これを黒白黒の3プライにしてカーリーとキルトの間に挟みます。

 

 

あん?分かりにくいって?

 

つまりはこーいうことさ。

 

 

こうやって、カバー材を一から作ったってことさね。

 

こんなん出来る人は腐るほどいるでしょうけども。

 

 

ただ、こんな小物にここまで手間をかけてるアホはさすがに知らんが。

 

コレに関しては、いま持っている最高の技量を詰め込んでみました。

 

まぁこの時点でただの歪な木片でしかないんだけどさ。

 

 

 

ちなみに厚さはこんくらい。

 

 

こっからさらにサンディングするので2mm台には落ち着くでしょう。

 

 

で、さらに進めます。

 

インレイデザインは、とりあえずで作ったデザインをオーナーさんに気に入っていただけたので・・・。

 

 

コレにします。

 

 

 

 

これだけだとちょっと分かりにくいんですが・・・指板インレイと組み合わせると、より分かりやすくなるんじゃないかな・・・多分。

 

あ、ちなみに今回使用するのは黄蝶貝ですね。

 

で、切り出したよ。

 

 

 

あら可愛い。

 

 

 

いま思うと、もう少し尻尾の根元、細くしても良かったかな・・・でも細くしすぎると折れるしなぁ・・・。

 

 

で、これを先ほどの木片にインレイする、と。

 

 

文章にすると一文なのに、メチャクチャ手間かかってます。

 

あとは塗装して、これがどうなるかですね・・・。

 

 

 

 

ついでにヘッドストックの上においてパシャリしてみた。ちょっとセンターずれてるけど置いてるだけだから許してw

 

 

杢目もしっかり生きてくれるかな・・・。

 

カバーのトップ側をわざわざブックマッチしたのは、映える部分だけ切り出して使いたかったから。

ブックマッチしたほうが杢目はキレイに見えますからねー。

 

だからヘッドストックもロッドカバーもいちいちブックマッチしたわけさ。

 

 

疲れましたが。

 

本当に疲れましたが・・・。

 

 

で、最後に。

さすがに今回の内容がヘッド周りだけで終わるのもアレなので、一応他のところも軽くみていきましょ。

 

 

指板です。

絶賛製作中ですが・・・大事なところは終わっています。

 

 

まず指板材ですが・・・

 

 

厚が9mmもあります。

 

 

 

あ、ちなみにモノはエボニー。グレードはプレミアム。言うまでも無く最高グレードです。今回の子の材は輸入した材は基本的に最高グレードばかり。トップ材だけ在庫がAAAAが最高だったから妥協したけれども・・・まぁ予算の関係もあるしね。

この材たちの中ではアイチに発注したアッシュが一番微妙なんじゃなかろーか。AAなのにあの反りだもん・・・。

※ちなみにバック材とかだとAAが最高グレード。トップ材だけAAAAAだのプライベートストックって表記をします。まぁ店や国にもよるけどね。

 

で、話を戻して・・・9mmもあるので手押しで落とします。

 

 

 

ただねー・・・。

 

この子・・・プレミアムグレードなのは良いけど・・・頼んでないのにフレイム杢があるんだ・・・。

この画像でもハッキリ分かりますね・・・。

 

 

 

でも、杢入り材は手押しカンナとかにかけると、ホント一気に加工難易度上がるから・・・。

 

こんな風に木肌やら杢目部分が荒れるわけだ。単に僕の腕が未熟なのがいけないんだけど・・・さすがにムリだろw

 

手押しの回転の切削スピードこれでも相当落としたんだけど・・・。

 

 

まぁいいや。

 

結局手押しかけよーが何しよーがサンディングはしなきゃならんのだし。

 

あ、全く関係ないけど、テーブルの上にステンレスの鉄板が置いてありますね・・・前回の記事でも書いたけど、絶賛勉強中です。これもなかなか大変でねぇ・・・。

 

で、地道なサンディングも終わりますと・・・

 

 

っし、取れた取れた。黒い粉。

これはインレイ作業のときに使うので大事にとっておきます。やっぱインレイは埋める材そのものの粉を使うのがベストだからね。

 

というかエボニーの作業は単調ですね・・・。途中は相変わらず「黒い粉コワイ」状態にはなるんだけど、ローズウッドみたく良い香りでトリップできないからつまんない。・・・とか言ってると危ないやつにしか聞こえないね、おかしいね。

 

まぁローズウッドにせよエボニーにせよ、サンディングした後は鼻の中やら手が酷いことになります。ホント真っ黒で大変。

その手で顔を触ろうもんなら目も当てられない。

 

僕、工房主は結構顔が濃いと言われる・・・というか誰がどー見てもソース顔なんですが・・・これやるとさらに濃くなるよ、劇画風になるよ、やめてくれよ・・・まぁ本業以外、基本的に外に出ないからいーんだけどさ。

 

 

さ、それはともかく。

 

 

サンディングが終わったので・・・

 

罫書きます。

 

 

この線にそって切るわけですね。

 

 

 

で。

 

 

切りました。

 

 

ちなみに寸法はキッチリ外側にくるバインディングの分を抜いてあります。

バインディングが今回は1mm厚なので、両側で2mm分をナットやネックエンドの寸法から抜いてカットしました。

 

 

で。僕がギター製作でぶっちぎりに大嫌いな作業。

平面出しも嫌いだけど、こっちはもっと嫌いかもしれない。前者は根気が試されるけれど、こっちの後者は腕が試されるからさ・・・。

 

 

えぇ・・・フレットの溝切りです。

 

専用ジグを使ったって難しいんだから、もうホントこれいやw

 

 

この工具だってわざわざ個人輸入したけど、なかなかのお値段がしますからね・・・。そもそもこの作業好きな人とか絶対いないと思うんだがw

 

あ、いうまでもありませんがスケールは今回も25インチスケールです。

 

で、なんとか切れました。

 

でも今回は両面テープを剥がすのに一番苦労してんですけどねw

 

ちなみに製図にはインレイデザインがスタンバってます。

 

 

この後地獄のインレイ切り出しが待ってるから・・・どんだけかかるかな・・・頑張ろう(遠い目)

 

あ、製図だと「目」もありますが・・・多分使わないかな。丸パクリはあまり好きじゃないし、何よりロッドカバーのインレイデザイン的に、むしろいらない。「コレじゃない」感がパネェ気がする。

 

 

で、ヘッドストックやらロッドカバー含めた画像はコチラ。

 

 

 

どれも置いただけなんですけどね。

 

 

 

 

 

ボディもネックも横にあるんですけどね。

 

 

 

まぁ、現時点がこんな感じで・・・指板はまだまだ作業があります。

 

この後、パーフリング溝も掘って、インレイ切り出しをして(←ツライ・・・嫌な予感しかしないw)、インレイ埋め込んで、R付けして、バインディングとパーフを巻いて・・・フレット打ちですかね。

 

こうやってみるとまだまだ指板だけでも先は長いですが・・・まぁ一番イヤなフレット溝切りが終わっただけでも良しとしましょ。

 

 

あとはボディもちょっと進んでいて、あとはアーチがそろそろなんですが・・・そちらも追々進めていきます。

 

 

 

 

てことで・・・結構な量を書いてしまったので今日は今度こそこの辺で。

 

 

 

本日もお疲れさまでした!!

 

 

 

 

 

ではでは、おやすみなさい。

 

 

 

 

 

ほなー。

 

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