こんにちはこんばんは。
近日中とか言いながら更新しときます。一応日付変わったし、ええやろ。
てことは、今回もオーダー製作の記事です。
リペアの子たちも何本かいますが・・・そもそも年始の休みが明けないとパーツ発注とかしても到着までかかるので・・・イマイチやりにくくてねぇ・・・。あ、ちなみにベースの子については、パーツが届く以前に大手術になる予感がするので、まだもう少しかかるかなぁ。
というかリフィニッシュの子もですが・・・大手術というか手間と時間がかかるリペアも数件あるので・・・そっちが記事になるのはもう少し先ですね。
で、本題。
前回の製作はボディのアーチ製作まででしたね。
木工も終盤です。
さっそく次の工程・・・といきたいのですが・・・アーチ製作前に行っていた作業も終わりましたので・・・少し前の画像からご紹介。
もうかなり前・・・ネックジョイントの勘合作業中の画像です。
この画像が一番分かりやすいかなぁ・・・と思いまして。
これまで何度か言及していますが、レスポールなどのアーチトップギターにはほぼ必ずネック仕込み角がつきます。
ボディにアーチがかかるので、ネックを斜めにつけて(1°~4°あたりまでタイプによって様々です)、ブリッジからナットまでの弦高を平行にしているわけですね。
あとテンションの為、という理由もあったりと、これだけで記事を書こうとすると中々大変なので割愛w
で、上の画像のとおり、ネックがボディに食い込んでいますが、このはみ出ている(余っている)ボディのポケット部分も削る工程が必要です。
当然3作目の時も行っていますが、あの時はトップ材の厚さが17mm(くらいだったかな?)で薄めだったので、削る部分も少なく・・・あえて説明しなかったわけです。・・・まぁあの時は加工前のトップ材が盛大に反っていたので、修正かけたらあそこまで減っちゃったからね・・・仕方ない。
で、チマチマ削っています。
ここのネックエンドとポケットの深さを同じにして完全ツライチにしていくわけです。
ちなみになぜわざわざ今回説明をいれたか・・・。
3本目の動画でも端折った部分だったんだけれど・・・コメントでご指摘頂きましたので・・・。
ありがたいご指摘でしたが・・・仕込み角の関係でこうなるのは言うまでもなく・・・作る以上、その構造原理を把握していないわけがないんですよ・・・とはいえ・・・そこまで細かく説明入れてると動画のメイキングがとんでもない再生時間になりそうなので・・・難しいところなんだよなぁ・・・。
ただでさえ15分超えの製作工程になってんだから・・・これ以上は伸ばせぬ・・・それに一般の方にはアレですら何言ってんのか分からんらしいからなぁ・・・どーしたもんか。
そんなこと言いつつ・・・
はい、完全ツライチになりました。
これで指板をのっけられます。
ここでしっかり平面出ていないと、そもそも指板がしっかり接着できないので・・・構造上、とても大切なところです。
そして、指板の乗る部分だけ平面を出しましたが・・・本来はもっと出さなきゃいけません。
少なくともこの画像の時点では、指板は問題ないものの・・・ピックアップをマウントするエスカッションの分の平面がまだ出ていません。
この時に一緒に平面出しとけば楽なんですが・・・あえてアーチ製作後にします。
で、前回の記事でアーチ製作がある程度終了したので・・・今ようやくココに手をつけます。
てことで、ザックリ平面を出しました。
これでエスカッションもしっかりベタ付けできます。
そして。
平面を出した際に発生した両側の段差。
これも本来なら平面と共に消してしまうところですが・・・個人的に消したくないんですよ。前回もそうだったけれど。
だからわざわざこうやって二度手間しているわけ。
ここも角度をつけて消してしまうとカッタウェイのホーン部分も当然低くなる。それが嫌なんです。そこを低くしてしまわず・・・高さはそのままでアーチを維持できたほうが格好が良いから。ただそれだけの理由なんですけどもw
ですので、この段差はまた斜めに成型します。つまりココの部分だけ逆アーチがかかる、ということですね。
これをすると「くびれ」付近からのアーチがより際立つので、こういう方法にしているわけさ。
・・・なんも考えていないようで、一応製作時には色々考えているんだよ?ww
で、逆サイドもパシャり。
地味です。違いがとても分かりずらいです・・・。
が、こういう小さな違いを生み出すために、二度手間三度手間は欠かせない。
それを怠るようなら、理想は目指せないからね・・・。
※追記:ちなみに1弦側のくびれは気持ち低めに設定しました。アーミングに干渉する恐れもあるので、一応ね・・・。
それはさておき。
仕込み角の処理は終了。
スケール2本で簡単に確認中・・・。
PRSシェイプ?(もはや色々怪しいが)ですので仕込み角は前回同様3°
こんな感じにボディトップとネックで角度がつくわけですね。
まぁ正確に測るのはもう少し後ですが・・・今回の記事の後半でもっとわかりやすい画像を載せておきます。
で。次々、と。
年末の休暇に入ってから、作業時間が少しは取れているのでサクサク進みます。
今回はボディがメインですが・・・ネックのボリュート作成なんかもチマチマ平行して行ってはいます・・・それは次回に回すけど。
ですので、ボディの次の工程は・・・コンターです。正直、この工程はこのタイミングである必要もないんですが・・・こーいうのはとっとと終わらせたい・・・簡単な作業のくせに地味に手間ではあるのでw
そんでコンターですが・・・基本的に必ずしも必要なものじゃないんですよ。テレキャスやレスポールを普段使いしている方なら分かると思いますが・・・なくても別に困らない。
あったらあったで、肋骨付近にフィットしてくれるから気持ち楽に弾ける程度。
もちろん3本目と基本は同じ、ということでオーダーを頂いていますので、今回も作ります。
ただ、このコンター・・・上述の通り絶対必要なものでもないので・・・僕は結構控えめに作ります。なぜならボディバックといえど極力削りたくないから。
単純に削る労力が惜しいとかではなく(たいして変わらんし)、ボディ本体なので・・・もちろん削るだけ音にも影響は僅かでもあるはずだから。
レスポールが重くて太くて弾きにくくてしょがないのに、構造的にも非効率の塊なのに・・・簡略化したりしないのは、あの構成構造で、あの音が出るわけだから。
重さが変われば当然音も変わりますからね、それも比較的分かりやすく変わる。
だもんで、基本的に僕は極力削らない方針です。まぁコンターに限らないんですけど・・・素材は限りなく残したい派なので。
で、話が脱線したので・・・工程に戻します。
まずは簡単に罫書き。基本コンターなんてメーカーや個人の好みでバラバラなので、ここらへんは結構アバウトに・・・控えめに罫書きます。
で、そのあとは、ノコで切り込みを入れます。
その後、ノミで払っていくわけさ。
これはネックシェイプやアーチ作りとほぼ一緒ですね。
僕が1本目製作時からよく行っているお手軽な方法です。
で、その後も得意の木工用ディスクをつけたグラインダーで荒成型。
おお、我ながら荒いなぁ・・・。
んで、その後はノコヤスリでガシガシ削っていく・・・と。
メーカーさんにもよりますのであまりハッキリ言うのはアレなんですが・・・w
基本的にコンターは「真っ直ぐ」斜めになっていないといけないものなので・・・ここではノコヤスリを使用して真っ直ぐにべべリングします。
で、最後は自らの手で以って真っ直ぐに仕上げる、と。
ちなみにこういうラップなんかの芯は本当に色々な場面で役立ちますw
ペーパーがダメになっても何回か新しいのを巻き直して使えるし、芯の巻く部分がダメになっても切ってしまえばいいし・・・最高っすなww
あ、あと一応なんですが・・・今回はわざわざ切れ込みを入れたり、グラインダーで荒成型していますが・・・3本目深紅さんの時はここまで手間をかけていません。
あの時はノコヤスリでガシガシ削ってから仕上げに入っただけですが・・・材が違うので。
あの子に使ったリンバ・・・コリーナは柔らかいのでアッサリ済ませられたのですが、この子・・・ホワイトアッシュなんで・・・硬いんだよ・・・それで察して下さいw
まぁ堅い柔らかいなんてのは一長一短ですし・・・それが今回はひと手間になっただけの話ですね。
柔らかければ逆に大変なこともあるから・・・前回のバックパネル製作の時みたいに。
さて、面倒なコンターも終わったので・・・今回の大一番。てか今回長いな・・・。
カスタムバインディングをしてしまいましょ。
これは・・・一番内側の白パーフを巻いているところですね。
前回の教訓を生かし、今回は指板だけでなく、ボディとヘッドにも白パーフを巻きます。
この子の製作記事が増えているのは、こういう地味なところで作業工程と難度がちゃっかり上がっているせいだったりする・・・w
アセトンで接着しつつ・・・マチ針で固定しているところ。
このくらいなら手間でもないんですが・・・問題は次。
アバロンの接着。
これが中々大変でして・・・
こっちは巻く、というより接着して、固定していく必要がありますので・・・。
あとボディやヘッドの外周のアールに沿って最適なアールを選びつつ、前のアバロンと・・・ある程度整合性のある模様のアバロンを選ばなきゃならんので・・・ぶっちゃけ指板のアバロンよりずっと大変でした。
苦労した分、綺麗なので報われる感はあるんですけどね。
あ、ちなみに今回はアバロンを先に接着していますが、カスタムバインディングは本来バインディングを先に接着します。
で、その後、あいた隙間にパーフをセット・接着していくんですが・・・
今回は自分で切り出したホーン部分のアバロン貝(前々回の記事冒頭のアレね)の幅なんかも調節したかったのと、ヘッドの一部のアールが急な部分の貝の切り出しを忘れていた為・・・。
大和マークで売っている150R、110R、70R、30Rとかのパーフ用貝アバロンを使うだけなら、本来どおり、最初からバインディングを巻いてしまいます。
いちおう間に挟む用のポリカも買っておいてあるんですけど・・・今回も結局出番はなしか・・・。
で、その後バインディングを巻きます。
でけた。
固定接着中。。。
ちなみに。
わかりますかね・・・。
ヘッドとボディ、共にバインディングが余っています。
上の部分がはみ出ています。
これは前回もそうですが、購入したバインディングが6mm幅だから。
設計段階からそうですが、ボディはバインディング幅5mm、ヘッドは4mm幅で作っているため・・・どうしても巻いた後余ってしまうわけですな。・・・というか余らなかったら色々マズイです。
パーフ部分がしっかりトップ面と同じ高さで巻けて、バインディングが余っている、ということはしっかりカスタムバインディング・チャンネルが掘れている証拠。ヨカッタヨカッタ。
とりあえず安心できたので・・・余った部分はノミやミニカンナで綺麗に削って・・・完了。
この工程も一歩間違うとせっかく接着したバインディングが剥がれるので・・・結構集中しなくちゃいけません。ですので画像は撮り忘れました(テヘッ
まぁ、とりあえずひと段落したので・・・達成感を得るためだけにネックや指板等をセットしてパシャりしてみたよ。
・・・なんかアレだな。
俯瞰で全体像撮ると、せっかく苦労したアバロンとかのパーフがほとんど分からんじゃないか。
ということで。
寄ってみた。
うむ。
ここまで寄れば見えますね。頑張った、俺超頑張った。
ちなみにこんなショットも撮ってみたけど。。。
この距離だと微妙ですね。
ただただ、ぬこの自己主張が強いことだけはわかるんだけれどもw
あ、あと。
この時ついでに撮影したので、こちらもご覧下さいな。
横から撮ってみたアングルです。
これだとネック仕込み角がより分かるかと。
こんな風に後ろ側に倒れるようにネックがつくわけですね。
もしよければお手持ちのレスポールやセミアコなんかを横から見て頂ければより分かるかと。
まぁ・・・このネックアングルでネックジョイントを作るのもいちいち大変なんですけどね・・・フフ・・・。そもそも製図からして面倒だし。
で、最後に。かなり分かりずらい画像もついでにパシャり。
横アングルの画像も見ながらだとより分かるのですが・・・仕込み角部分の平面と、カッタウェイのホーン部分では高さが違います。
それを出すためにわざわざ二回に分けて平面出ししたわけですね。
こうしたほうがより立体感が出るから。
実際は塗装まで終わらせたほうが、確実に分かると思うんだけども。
PRSのシェイプは三次元的なアーチがその最大の魅力ですからね・・・それを最大限生かせる形にしてみました・・・疲れたけど・・・w
というかカスタムバインディングしてる時点で、もはやPRSもクソもないんだけどねww
一応です、一応。シェイプは一応PRS「系」なのでw
そんなこと言ってたら、今回は結構長くなってしまった・・・。
あとはネックのボリュートの記事ですね。上の記事だとちゃっかりペグ穴まで開いてますが、その工程はまだ書いてなかった気がするので、次回はそこら辺から。
なにはともあれ・・・かなり終盤になってきました。
ただ、まだバインディング処理後の細かいところの研磨やアーチの削り足りないところもありますので・・・そこも最終成型として工程は残っています。
その他、各種配線穴と・・・エスカッションはじめ、小物作りもまだなので・・・もうちょっとかなぁ・・・。
面倒な木工工程はほぼほぼ終わりに近づいてきたので・・・チマチマ残りもやってしまいましょ。
てことで。
今回もご覧いただきましてありがとうございました!!
ほなー。