こんにちはこんばんは。
もう12月も折り返しましたか・・・クリスマスが近いですね。・・・爆ぜろ。
そんな忌々しいイベントなんて僕には全く関係してこないので、ほんとどーでもいいんですが・・・時期柄、ジャズコンサートが多いので、せっかくなので見てきました。
あぁ、誤解なさらず。職場の関係で、わざわざ行かなくても近くでイベントが見れたので、ついでに見ただけです。じゃなきゃわざわざ見に行くわけないじゃないですかー。自他共に認めるこの引きこもりが。やだなー。
それにしてもやっぱりジャズ系のギターはテクニック的なところでお上手だなぁ、と思いました。別にジャンルで決め付けているわけじゃなく、ロック大好きな僕はそっちの超絶技巧も大好物なんですけどね。
ジャズだろうがロックだろうが、お上手な人はやっぱ格好いいなぁと思います。そもそも僕、弾けないからねwハハッ
さ、あんま言ってると色々怒られそうなので・・・本題に入ります。
今回はリペアですね。弾けないとか言いつつヌルッとリペア内容に入ります。
いつも通り事前に掲載許可は頂いております、本当にありがとうございます!
今回の子はVタイプですね。
モノはWashburnのSolar Vです。
ボディの破損です。Vの宿命といいますか・・・先端部分は強度的にどうしても脆いので・・・。
ちなみに到着したときにすでに折れていたそうな・・・海外から直接ご購入されたそうなので・・・梱包とかはしっかりやってたのかは知らんけど、ちょっとねぇ・・・。
ちなみに折れているのはジャックのザグリがあるほうです。
まぁそうですよね・・・、ジャックのザグリがあるってことは、つまり強度的に弱くなるってことだし。ましてこの子の場合、ボディトップがベベル(斜め)にカットされているので普通のVよりさらに強度が弱くなります。
見た目の洗練さと強度の折り合いって難しいんですよね・・・そこら辺は製作・開発側が考えなきゃならないことなので、プレイヤーさん達が気にするところではない・・・というか気にさせてはいけないところなのですが。
折れた部分はしっかり嵌ります。接着後はこの亀裂のように見えている木地をタッチアップするわけですね。
まぁ・・・どうタッチアップしたところで多少の跡は仕方ないのですが・・・どこまで目立たせないようにするかが腕の見せ所ですね。
で、問題はこっち。バック側です。
一部、折れた時に剥がれたのか隙間があります。
トップ側はともかく、こっちが大変ですね。
特にジャックカバーのビス穴も新しく作らなければならないし、その分、強度も出さなきゃならないので・・・。
ちなみに接着前の木片(先端部)。
マホガニー・・・かな。
イマイチ確信が持てないのは、木目や色合い的には間違いなく僕のよく知るマホなんですが・・・いやに軽いから。手で持って「え、マホだよな?」って1人声を上げてしまったよ。
気乾比重的にマホは重めのはずなんですが・・・この子のボディ材は軽めの材を使用している模様。だからあんなに本体が軽めだったのか・・・。
どうしても木材は個体差があるので、軽重の差は出るんですよね。どっちが良いってことは一概には言えないのですが・・・。昔のレスポールに使われていたマホガニーとかは軽いものだし。
ただ、不幸だったのはこの子場合、この軽さ(と、目の詰まり具合)が本体強度にも影響してしまったという点ですね・・・。
なにはともあれ、ちゃっちゃかタイトボンドで接着していきましょ。
固定中・・・。
麻紐は締め付けのために使用しています・・・が、どれほどの効果があったのかは謎。
折れ方が斜めにいっているので、上下の圧力でも結構しっかり密着してくれたので。
で、接着後・・・
一部サイドも木地が足りない部分がありますが・・・このくらいならタッチアップと簡単なパテ埋めでなんとかなるかな。
で、問題の箇所。
ここの隙間を埋めなアカンわけですね。
充填に何を使うか・・・ですが。
ここはエポキシ一択です。
足りないところを「充填する」という意味合いでは最もこの場合使えます。もちろん接着だとタイトボンドのほうがずっと強度は出るんですけど・・・今回は接着しようにも、その「モノ」自体がないので。
で、パテ(今回は純粋なエポキシを使用しましたが)というものにも種類があって。
ちょっとした割れなんかだと木部補修用の木工パテ(エマルジョン系)が便利で良いのですが・・・大きな隙間だとエポキシ系パテのほうが良いです。前者は切削性や研磨が楽で良いんですが、例によって強度が足りないので。
なので使うとき、購入するときなんかは、パテに使われている成分表や種類にも注意してみるといいかもですね。ボカァ専門でも業者の人間でもないので詳しい構造とかまでは知りませんけど。
で、エポキシ充填しました。
ビス穴位置のところだけはフィラーを混ぜてます。その他のところは潰しの塗装なのでそのままエポキシで充填してあります。
画像だと、充填したときに養生していたマスキングが残っているので、そこも可能な限り剥がしてしまいます。
結構隙間があったし、養生していても一度に充填しきれない(というかそれやったら流れ出ちゃうからね)ので、数回に分けて充填しています。
大きいレジンアクセサリーなんかを作るときの要領ですね。・・・まぁレジンアクセとか作ってるわけじゃないからよく知らんけどw
2液硬化型の樹脂に関しては、2作目のカラスの時に余計なもん作ってたおかげで、それなりに扱いを知っているので。
で、細心の注意を払いつつ、僅かな隙間等を埋めつつ、表面をサンディングしつつ・・・タッチアップを行います。
今回のカラーはマッドブラック・・・なぜかうちの工房には在庫がありました。
というのもギターの製作・リペアに今まで使用したことはなかったんですが・・・昔々、木彫りで仮面を製作した時に間違ってつや消しの黒を買ってしまったから・・・工房にあったわけですよ・・・なんだろう、とりあえず喜んでおけばいいのかしらw
仮面作りはギター作りをはじめる前の話・・・というか楽器作りの練習段階としての側面もあったわけだから・・・良かったと思っておこう。
それはともかく・・・
タッチアップ完了―。
表はあまり目立たないかな・・・?いや、それでもよく見ると結構分かるんですけども。
まぁ折れの修復にも限度はあるので、こればかりは仕方ないですね・・・。
裏はやはり結構跡が残ります。
隙間の充填跡が気になるけど・・・まぁ裏だしな(諦め)
で、ビス穴をあけ直して、ジャックカバーをはめる前に・・・。
ジャックの配線が結構危うげです。
接着とかタッチアップ中にこうなっっちゃったかな・・・固定してほとんど触っていないはずだからそんなわきゃないんだけど・・・さりげなく再配線してしまいましょ。
ジャックの配線なんて、コテ温める時間のほうが長いくらいなんだからチャチャッと終わらせます。
はい、完了。
てか、新しいコテが欲しいなぁ・・・。
製作用の設備・工具がある程度揃ってきたので、そろそろ新調しようかな・・・。
いつまでも安物使ってるわけにもいくまい・・・ありがたいことに地味に配線の依頼も多いし。別件で請けている子の配線に使われてたハンダが溶けなくて苦戦したばかりだし。
なにはともあれ・・・
ボディ破損のリペア、完了―。
硬化時間やら接着時間、塗装の時間がほとんどでしたが、ある程度なんとかなりました。
気持ちの良い音を出してくれます。
とはいえ、特に今回、弦も外していないし、アッセンブリもあけてすらいないので、音に影響もない部分ではあるんですけどね・・・w
遠めだと分かりづらいですが、近くだとやっぱりどうしても破損跡は分かります。
ネック折れの補修でもそうですが、こればかりはどうしようもないかなぁ・・・。
大掛かりに一度塗装を一部剥がして・・・てやったらさらに目立たなくはなるけれど、結構な作業になるので、タッチアップの限界ですね。
このくらいなら、まぁ許容範囲でしょう。裏はちょっとアレだけど。
なにより、今回は接着と補充をメインに行いましたが、この子の場合、構造上相変わらず先端部は弱いままです。
ベベルにカットされていて格好は良いんだけどなぁ・・・ボディ自体の厚みをもう少し出すか、ジャックのザグリをもっと工夫しないと、強度面の改善にはなりませんね。
ボディの厚みはメーカーが製作段階から気にするべきところなので、あまり言いませんが・・・ジャックのザグリは後からでも一応対応可能ではありますね・・・根本的な解決に至らないけれどw
まぁ、大事に使っていただければ、もうそうそう折れることはないはずなので、大丈夫でしょう。
直って良かった良かった。
さて。そんな具合で、今回はここまで。
別件でお預かりしている他の方の子達が何本かいるので、そちらも平行して作業しております。
近々またもう1本リペア記事も上げる予定ですので、よろしければご覧下さいな。
会津はすっかり雪景色ですが、皆々様も風邪など引かぬよう、体調等お気をつけてお過ごしくださいませ。
寒いし凍るからね、運転時など特に気をつけましょ。僕も本業以外では出歩かないようにしてます・・・あ、それはいつもだね。季節関係ないわw
とりあえず24日とか爆発してしまえばいいよ。そもそもその日仕事だし。毎年のことなれど、気が滅入りますな・・・頑張ろう。
さてさて。
それでは、すっかり長くなってしまったのでこの辺で。
ほなー。