リペア―Legator8弦(ファンドフレット)オクターブ調整、電装系他―

こんにちはこんばんは。

 

 

暑いですねぇ…さすがに人体の体温より高い気温とかムリがあると思うんだ。

全国各地で熱中症被害も多いようですので、皆々さまもお気をつけくださいませ。

 

 

あ、近況ですが、仕事はめっちゃしてました。

溜まりに溜まっていたリペアがほとんどですが…あとはちょっと親戚?のお店のお手伝いに行ったり。

こっちのお仕事は工房内なのでマシだけど、後者のお手伝いのほうはお外での作業だったので中々ヤバかった。

 

朝から午後過ぎまで作業しただけなのに軽い熱中症になりました。アレですね、汗かきすぎて頭痛が酷くなったので、帰宅後は一日寝込んでたりしました…この連日の暑さは本当にシャレにならんので気をつけましょ。

 

 

まぁそんなこともあり、ここ最近は比較的涼しい日を狙ってガッツリやってます。

 

おかげさまえネタはたっぷり溜まってます。

 

 

ただデスクワークが捗らない…。

 

今まで記事も途中まで書いていたりしたんですけどね。暑さでダウンして途中のままで保存されてるのがいくつかあったりします。

 

そろそろ更新せんとアカン、と思ったので順次書いていきましょ。

 

あ、あと前述のお手伝いに行ったお店の店主に「記事なげぇんだよ、長々と書いてんじゃねぇよ、性格出てんぞ」的なお言葉を頂戴して地味に反省したので、今後はもう少し簡潔に書いていこうと思いました。ムリか、ムリだね。

 

 

で、さっそく本題。

 

えっと…前回はレスポールのリフレットを書いたので、今回は多弦マルチスケールのメンテ(オクターブ調整)と導電処理、配線総取っ替えです。

 

ちなみに8弦のファンフレットの調整は初めてだったので…ある程度コツを掴むまでちょっと苦戦しました。

 

で、モノはこの子。今回も掲載許可ありがとうございます!

 

 

 

Legatorの8弦さん。

 

ご覧の通り、多弦ですので弦テンションを稼ぐためにマルチスケールのファンフレットになっております。

 

オーナーさんによるとどうしてもオクターブが合わない、とのことでお持ち込みいただきました。

 

実際、こちらでもチェックしてみましたが確かにオクターブが合わない。特に合わないのは7~8弦。わずかにシャープしている…。

 

で、その型番からネットの海をさまよってスペックを探ります。

この子はNRF8-200(だったはず)…お、

さっそく出てきますた。

 

某国内大手楽器店のサイトさんのスペックによると、

ネックジョイントはちょっと異なるものの…

・ファンドフレット8弦

・25.5-27.5マルチスケール

・5点ボルトオンジョイント

・5ピースネック

・フレイム貼りトップ

となっておりました。

 

 

…ふむ。

おかしいな。

1弦の25.5インチはともかく、8弦側が合わない…。

低音弦側は27.5インチ(698.5mm)なんですよね?…足りないね。

 

 

上記のスペックを基準とするならもっと7、8弦のブリッジ駒の位置がもっと下にないといけない。

 

ですので、この時点ではブリッジの位置変更が必要かな?と思っていました。実際はそうじゃなかったんですけどね、えぇ(後述)

 

とりあえずブリッジやスケール、オクターブの調整は後回しにして、簡単な導電処理や配線交換だけ先にすることに。

 

まずピックアップを外したんですが…すっげぇビスの頭がなめてる(潰れてる)。地味に外すだけでも大変だったり。

 

買ったばかりのオーナーさんがいじるわけもないので、最初からか…

 

 

次ピックアップ変更する時はビスも新しくしたいですねー。

 

 

で、このピックアップ、当初オーナーさんとはタップ化したいっすね、ってお話してたんですが…見ての通りの2芯線。

普通の2芯ハムでも4芯化は可能なんですけども…なーんでアクティブでもないのに樹脂で埋めるかな。

この樹脂の除去をする必要性もあるし、なかなか大変なので今回は見送ることに。残念ながらこの作業をされているサイトさんはほとんど見つからなかったので、効率的な方法は知りません。

 

某高級ギターメーカーのESなんちゃらさんで実験的にやってるのを見たけど、肝心の部分が未公開でしたので、よくわかんないっす。

そのうち壊れたアクティブでも仕入れて実験してみましょ。腹案はいくつかあるので。

 

で、そんなことを言いつつ裏返し。

 

バック側のコントロールキャビティを見てみます。

 

何と言いますか…まぁ普通の2ハム3wayの回路ですw

近頃はオーダーでのオリジナルのタップ回路だの、ハコモノの回路だの、グレッチの回路だの、よく分かんないメーカーの5way使われた回路だので苦戦ばっかしてたので、素直な回路がなんと素晴らしいことか。ちなみに上記の苦戦した配線たちの記事はまだどれも記事にしていないので、順次更新します(はよ書け)

 

 

 

んで、アース線などの一部の配線を除き、ポット類を外して、導電塗料を塗り塗り。

 

これを複数回。ここでは普通の塗装と違って出来るだけ厚く、塗っていきます。ってもうこの作業も他で何回もやってるから今さらですね。

 

で、二回目以降の塗布やアースラグもやって…(画像は割愛)

 

 

ポットやコンデンサ含む配線も新しくして…

 

電装系は終了。

 

 

 

で、裏が終わったので表に戻ります。

 

とりあえず微妙にズレていた弦アースを取りなおしてブリッジ駒をセットして、新しく弦を張って…いよいよ調整に入ります。

 

が、超地味な作業なので画像は控えめ。

 

 

まずは徹底的に精査しようと8弦側のブリッジからナットまでを実測。

 

686mm弱…。うん、27.5インチだったら698.5mmなので明らかに足りない。本来ならもっとブリッジ位置が遠くないといけない。

というのは先にも述べました、重ねて言ってしまってごめんなさい。

 

で、次はここからさらに踏み込んでっと。

27.5インチ(698.5mm)の場合、ナット位置の0フレット~1フレットまでの距離は…39.2388623225mm。面倒なので便宜的に小数点以下は切り捨てます。

※あ、フレット位置の計算はどんなスケールにも合わせて自分で割り出せるのは大前提ですが、いちいち21~24フレットも計算して出すのはめんd…大変ですし、StewmacさんでFret Calculatorてなツールも出してくれているのでそっちのほうが便利です。

 

そんで、この子の0~1フレット間の長さを測ってみる。………39mm、ないね…。

てことで、実寸の686mmで計算してみる。で、出てきた数字と、0~1フレット間の距離を測る。38.5mm…うん、ほとんど一緒ですね。

 

このあたりで「…??」て思い始める僕。 ゼキ は こんらんしている!

 

 

取り急ぎ、またまたネットの海をさまよいに行くことに。

なぜか当該機種とまったく同じ子が見つからないのはさておき(細部が違ったりしてます)、なんとか海外のページでスペックを見つけました。

うん…スケール。。27インチだって。つまり685.8mm。0~1フレット間も38.49mm。コレが当たり、正解ですね。

ちょっと、誰だ27.5インチとか書いたの。

 

 

こんなことあんまり言いたくないけど、国内の代理店や楽器屋さんは売るならもう少しちゃんと情報発信して欲しい。

業界大手なんだから、そこらへんは頼みます…。島…なんだっけ服屋さんと同じ名前のあそこ。ほとんど世話になったことないけど。

お隣の郡山あたりにあった気がするけど5、6年行ってないし。その時だって新幹線からの乗り換えの時間つぶしに寄っただけっていう体たらく。ていうか地味にけっこう郡山、福島方面からお仕事いただけたりするのが謎なんですが、それ言っちゃったら県外とか色んなところからご連絡いただけるので今さらですね、本当にありがとうございますw

 

っと、まーた脱線した。

 

とにかく、これで正確なスケールは分かりました。まったく…。

 

スケールどおりにフレットが打たれている、ていうのが分かったので、当然ブリッジの位置変更はナシです。

 

問題は、なぜオクターブが合わないのか。…これだけダラダラ書いて、結果正しいことが分かったってどーなんだ…。

 

まぁいろいろ試しました。当然ブリッジの調整出来る範囲(可動域)も試したり。

最終的には弦高で解決はしましたが。7、8弦になると弦も当然太くなるので、シャープもしやすい…だけでなく、ナット―ブリッジ間の弦高でみると、ファンフレットの低域スケール側のブリッジの弦高がかなり影響しますね。

弦高が高ければ高いほど、スケールも長いほど、12フレット位置の押弦時の12フレット―ブリッジ間のスケールも変化しやすい。中間点の12フレットからの想定上の342.9mmが押弦時僅かに長くなり、オクターブがシャープする、ということですね。

もちろん弦高下げても音詰まりやビビりもあるので、結構シビアなところではあるんだけど…。

 

なんにせよ、ファンフレット…難しいですなぁ…w

 

ちなみにマルチスケールのファンフレット、慣れていないと演奏がしにくかったんですが…慣れるとコレはコレでありかな?って思うようになります。結構不思議な感覚です。人によっては演奏性が上がるらしいですよ。

ただ、ファンフレット自体、構造上音階が正確になる、とかそういう類のものではないので、それを求める人はテンペラメントを使いましょう。ギターやベースはそれ自体、不完全な楽器ですので、むしろそこに惚れ込んでいる僕としては正確な音程じゃないのも良いと思うんですけどね。とか言いつつテンペラの子も作ってみたいけどもw

 

 

とまぁ、そんな感じで今回のリペア・調整は完了。

 

後半画像が少なくて失礼しました。

せめてフレット間の計測画像でも撮っときゃよかったと今さらながら思った。

 

 

あとやっぱり長くなりましたね。作業量とか情報量的に簡潔とかムリだろー…。脱線とか雑談をなくせばいいんだろうけど、こんなやつなので性格上ムリですね。

 

でもって次の記事も相変わらず溜まっておりますので、この辺で。

 

 

本日もお疲れ様でした!

 

 

 

 

ほなー。

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